樹脂加工で失敗しない!材料選びのポイント
いつも金属加工エクスプレス.JPのコラムをご覧いただきありがとうございます。
「樹脂加工ってどんな種類があるの?」「材料選びで失敗したら、製品の品質やコストに影響が出そうで不安だな…」
そう思っていませんか?樹脂材料の種類や特徴、加工方法などをしっかりと理解していないと、求める品質や性能を満たせず、思わぬ失敗をしてしまう可能性もあります。
そこで今回は、樹脂加工の材料選びで失敗しないためのポイントを、初心者の方にも分かりやすく解説いたします。
この記事を読めば、樹脂の種類と特徴、加工方法、そして材料選びの際に重視すべきことが理解できます。適切な材料を選ぶことで、製品の品質向上、コスト削減、そして納期の短縮にも期待できます。
樹脂の種類と特徴
樹脂は大きく分けて、「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2種類に分類されます。それぞれ異なる特性を持つため、用途に合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。
熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は、熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まる性質を持つ樹脂です。この性質を利用して、何度でも成形し直すことが可能です。そのため、リサイクル性に優れているという点も大きなメリットです。
代表的な熱可塑性樹脂には、以下のようなものがあります。
- ABS樹脂: 耐衝撃性、耐熱性、加工性に優れており、家電製品や自動車部品、おもちゃなど、様々な製品に広く使用されています。
- PE樹脂: 安価で、耐水性、耐薬品性に優れており、包装材や容器、フィルムなどに使用されています。私たちの生活に欠かせないレジ袋や食品用ラップも、PE樹脂から作られています。
- PP樹脂: 軽量で、耐薬品性、耐熱性に優れており、自動車部品や食品容器、医療機器などに使用されています。電子レンジ対応の食品容器にも使われているため、食品の保存にも安心して使用できます。
- PVC樹脂: 耐水性、耐薬品性、難燃性に優れており、水道管や電線被覆、床材などに使用されています。耐久性が高く、長期間の使用に耐えることができるのも特徴です。
- PET樹脂: 透明性、耐熱性、ガスバリア性に優れており、ペットボトルやフィルム、衣料品などに使用されています。近年では、リサイクルPET樹脂を使用した製品も増えています。
- アクリル樹脂: 透明性、耐候性に優れており、看板やディスプレイ、水槽、レンズなどに使用されています。美しい透明性を活かして、様々な製品に利用されています。
- ナイロン樹脂: 強度、耐摩耗性、耐薬品性に優れており、ギアやベアリング、衣料品などに使用されています。摩擦に強く、耐久性を必要とする部品に最適です。
- ポリカーボネート樹脂: 耐衝撃性、透明性、耐熱性に優れており、ヘルメットやCD、スマートフォンケースなどに使用されています。衝撃に強く、透明性も高いため、様々な用途に利用されています。
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、一度熱を加えて硬化すると、再び熱を加えても軟化しない性質を持つ樹脂です。そのため、耐熱性や耐久性に優れており、一度成形すると形状が変化しにくいという特徴があります。
代表的な熱硬化性樹脂には、以下のようなものがあります。
- フェノール樹脂: 電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性に優れており、電気部品や接着剤、塗料などに使用されています。電気製品の絶縁材として広く使われており、私たちの生活を支えています。
- エポキシ樹脂:接着性、電気絶縁性、耐薬品性に優れており、接着剤や塗料、電子部品などに使用されています。高い接着力を持ち、様々な材料を接着することができます。
- メラミン樹脂: 硬度、耐熱性、耐薬品性に優れており、食器や家具、建材などに使用されています。メラミン樹脂製の食器は、落としても割れにくいという特徴があります。
- ユリア樹脂: 硬度、耐熱性、耐水性に優れており、接着剤や塗料、合板などに使用されています。家具や建材など、私たちの生活空間を支える材料として活躍しています。
- 不飽和ポリエステル樹脂: 強度、耐薬品性、成形性に優れており、FRPなどの強化プラスチックの原料として使用されています。船舶や自動車部品など、強度と軽さを必要とする製品に利用されています。
樹脂の一般的な加工方法ついて
樹脂の加工方法は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の性質によって異なります。それぞれの特性に適した加工方法を選択することが、高品質な製品を作る上で重要です。
熱可塑性樹脂の加工方法
熱可塑性樹脂は、熱を加えて軟化させることで様々な形状に加工することができます。
代表的な加工方法には、以下のようなものがあります。
- 射出成形: 金型に溶かした樹脂を注入して成形する方法です。大量生産に適しており、複雑な形状の製品を製造することができます。スマートフォンケースや自動車部品など、様々な製品に利用されています。
- 押出成形: 溶かした樹脂を金型から押し出して成形する方法です。パイプやフィルム、シートなどの長尺製品の製造に適しています。水道管や農業用フィルムなど、私たちの生活に欠かせない製品にも利用されています。
- ブロー成形: 溶かした樹脂を金型に吹き込んで成形する方法です。ペットボトルや容器、玩具などの製造に適しています。中空の製品を成形する際に用いられる方法です。
- 真空成形: 熱した樹脂シートを金型に密着させて成形する方法です。包装材やトレイ、看板などの製造に適しています。比較的シンプルな形状の製品を成形する際に用いられます。
熱硬化性樹脂の加工方法
熱硬化性樹脂は、熱を加えて硬化させることで形状を固定します。一度硬化すると形状を変えることができないため、精密な加工が求められます。
代表的な加工方法には、以下のようなものがあります。
- 圧縮成形: 熱硬化性樹脂を金型に入れて加熱・加圧して成形する方法です。電気部品や自動車部品、ボタンなどの製造に適しています。シンプルな形状の製品を大量生産する際に用いられます。
- トランスファー成形: 熱硬化性樹脂を金型に注入して加熱・加圧して成形する方法です。複雑な形状の製品を製造することができます。電気部品や機械部品など、複雑な形状を必要とする製品に利用されています。
- 積層成形: 熱硬化性樹脂を含浸させたシートを積み重ねて加熱・加圧して成形する方法です。FRPなどの強化プラスチックの製造に適しています。航空機や自動車部品など、強度と軽さを求められる製品に利用されています。
樹脂の選ぶ際に重視すべきこと
樹脂加工で使用する材料を選ぶ際には、以下の点を考慮することが重要です。
製品に必要な特性
樹脂には、それぞれ異なる特性があります。製品に必要な強度、耐熱性、耐薬品性、耐候性などを考慮して、適切な樹脂を選びましょう。
例えば、屋外で使用する製品には、耐候性に優れた樹脂を選ぶ必要があります。また、食品容器には、耐熱性や耐薬品性に優れた樹脂を選ぶ必要があります。
加工方法
樹脂の種類によって、適した加工方法が異なります。加工方法に合わせて、適切な樹脂を選びましょう。
例えば、射出成形には、流動性に優れた熱可塑性樹脂が適しています。また、圧縮成形には、硬化速度の速い熱硬化性樹脂が適しています。
コスト
樹脂には、価格に大きな差があります。製品のコストに合わせて、適切な樹脂を選びましょう。
安価な樹脂を使用することでコストを抑えることができますが、品質や性能が劣る可能性もあります。そのため、コストと品質のバランスを考慮して、最適な樹脂を選ぶことが重要です。
環境への配慮
環境問題への意識が高まる中、リサイクル性や環境負荷の低い樹脂を選ぶことも重要です。
近年では、バイオマスプラスチックなど、環境に配慮した樹脂も開発されています。環境負荷を低減するために、積極的にこれらの樹脂を採用することも検討しましょう。
金属加工エクスプレス.JPの樹脂加工・製品事例のご紹介
■異径エルボ
このエルボは液体を流すために使われるので、ゴムの一種であるNBRという材質が使われています。硬度は170°です。
エルボは、パイプとパイプをつなぐ部品で、通常はL字型をしています。しかし、今回は接続するパイプの形状が「角」と「丸」で異なるため、特殊な形のエルボを製作する必要がありました。
ゴム製品を作る場合は、通常、金型を作って射出成形という方法で大量生産します。しかし今回は試作品なので、金型を作らずに、切削加工という方法で製作しました。この方法なら、金型を作って射出成形する場合に比べて、納期が短く、価格も抑えられます。
「樹脂加工・ゴム加工で試作品のため1個だけ部品が欲しい…、けれどもコストや納期がネックになっていてどこに頼めばいいかわからない」という方もお気軽に当社までご相談ください。
樹脂の加工でお困りの際は、金属加工エクスプレス.JPまで!
今回は、樹脂加工の材料選びのポイントについて解説しました。
樹脂加工は、様々な製品の製造に欠かせない技術です。樹脂の種類や特徴、加工方法などを理解することで、より良い製品づくりが可能になります。
金属加工エクスプレス.JPは樹脂加工に関するご相談も承っております。樹脂加工でお困りの際は、まずは金属加工エクスプレス.JPにお気軽にお問い合わせください。